西城耳鼻咽喉科アレルギー科 SAIJO  Ear,Nose,Throat and Allergy Clinic

小児のアレルギー性鼻炎

ハウスダスト(ほこり)、ダニ、花粉などが原因となり鼻の粘膜がアレルギー反応を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が出る病気です。のどの違和感(軽い痛み)や目のかゆみを伴うこともあります。

小児アレルギー性鼻炎の特徴

1. ハウスダストやダニに対するアレルギーが多く、年長児になるにつれスギ花粉や雑草の花粉などにもアレルギーを起こすようになる。
2. 副鼻腔炎や滲出性中耳炎を合併しやすい。
3. 明らかな遺伝とは言われていないが、ご両親さんにアレルギーがあるとお子さんもアレルギー性鼻炎を発症することが多い。
4. 症状としては、鼻をこするようなしぐさだけのこともある。

検査

   

鼻汁好酸球検査

アレルギー反応が起こっているかを調べる検査です。
鼻水の中にアレルギー反応により出てくる好酸球が出ているか出ていないかを調べます。この検査は綿棒で鼻水を採るだけで簡単にできますが、お薬を飲んでいる場合や、アレルギー反応が弱い場合はアレルギーがあっても陰性となる欠点があります。

血液検査(特異的IgE検索)

何のアレルギーかを調べる検査です。
血液を採り、ハウスダストや花粉などに反応するIgE抗体がどの程度あるかを調べます。この検査を行うと何にアレルギーがあるかということがわかりますので抗原(アレルギーの原因)除去、薬が必要な期間などの予測ができます。あまり小さいと血液検査で陽性反応を示さないことがあるので3〜5歳以上で行います。

ファイバースコープ検査

副鼻腔炎や咽頭喉頭炎が合併していないか、またはにおいの道が閉塞していないかを調べる検査です。
ネバネバした鼻水が続く場合、副鼻腔炎の合併を考えファイバースコープ検査を行います。ほとんどの副鼻腔炎はファイバースコープで診断できます。レントゲンと違い放射線の被曝がないためお子様にも安心です。副鼻腔炎は普通の鼻の診察だけでは推測にすぎず、ファイバースコープ検査やレントゲン撮影を行わないとわかりません。当院は小児用の極細ファイバースコープを導入しているため、乳幼児もほとんど痛みなく検査ができます。
                        
※正確なアレルギー性鼻炎の診断には、鼻汁好酸球検査と血液検査が必要になります。

治療の原則

アレルギー性鼻炎の治療は原因である抗原を遠ざける抗原除去を基本としますが、それでも症状が残る場合には薬物療法、6歳以上なら手術療法(アルゴンプラズマ療法)や減感作療法が選択されます。

各治療法の特徴

抗原除去療法

アレルギー性鼻炎のある人も抗原(アレルギーの原因)を吸入しなければアレルギーは起こりません。また、アレルギー反応の弱い人でも多量の抗原を吸入すると強いアレルギー症状が出ます。血液検査で抗原を検索して抗原を特定し、その抗原を遠ざけることでアレルギー反応を抑えることができます。
たとえば、ダニやハウスダストが原因でアレルギー反応を起こす人であれば、まめに掃除をしたりダニ防止用の布団カバーを使ったりする。スギ花粉が原因の人はスギ花粉の飛散が多いときは外出を控えたりマスクをしたりするということです。現実問題として難しいことも多いと思いますができるだけ抗原を遠ざける努力は必要でしょう。

第2世代抗ヒスタミン薬

効果がでるまでにかかる時間:1〜2日
アレルギー性鼻炎の基本的な治療薬です。一般に抗アレルギー薬とも言われています。市販のアレルギー性鼻炎に対する薬に比べ眠気や口の渇きなどの副作用が少ないです。くしゃみ、鼻水に効果的ですが、鼻づまりに対する効果はやや弱いです。
<当院でよく処方する薬>
クラリチン、ジルテック、アレグラ、アレロック、セルテクト、アレジオンなど

局所ステロイド薬

効果がでるまでにかかる時間:3〜5日
効果が強く、鼻づまりにもよく効きます。ステロイド薬ですが、からだに吸収されにくく、使用量も微量ですので副作用はほとんどありません。眠気もでません。数日以上の使用で効果が現れます。速効性はありません。
<当院でよく処方する薬>
フルナーゼ、アルロイヤーなど

ステロイド内服薬

効果がでるまでにかかる時間:30分〜1日
効果が最も強く最重症の症状も抑えることができます。長期服用で全身的な副作用を起こすことがあるので短期服用または頓用が望ましいです。
<当院でよく処方する薬>
プレドニン、セレスタミン(第1世代抗ヒスタミン薬とステロイドの混合薬剤)

アルゴンプラズマ療法

効果がでるまでにかかる時間:7〜14日
アレルギー反応の1番起こりやすい下鼻甲介粘膜にアルゴンプラズマを当てることにより、下鼻甲介粘膜を縮小させアレルギー反応の起こりにくい粘膜に変性させる治療法。鼻づまりには90%以上の効果、くしゃみ・鼻水には50〜60%の効果がある。欠点は術後1〜2週間、一過性の鼻づまりや鼻水が悪化する。年齢制限はないが、外来でできるのはおおむね6歳以降。術後は内服薬を減らすことが可能。

特異的減感作療法

効果がでるまでにかかる時間:2〜3年
ある特定の抗原に対して、その抗原のエキスを低濃度から何度も注射をして、アレルギーの起こりにくい体質に変える治療です。現在のところ根本治療はこの治療法だけですが、まれに命にかかわるような重篤な副作用を起こすことがあることと、治療期間が最低2年ぐらいで症状のない間も定期的に注射に通う必要がある割に治療効果が60%程度であり、治療に根気が必要という欠点を持っています。通常、6歳以上で行われます。

日常生活の注意事項

  • 抗原を避ける
    ハウスダストやダニが原因の場合は掃除をこまめにする。ダニ防止用の布団カバーを使う。などの工夫が必要。ぬいぐるみなどが原因になることもあるので注意。スギ花粉や雑草の花粉が原因の場合で、症状があまりにもひどいときは外出を控える。
  • お母さんが理解してあげることが必要
    ハウスダストやダニが原因の場合は慢性的に経過すると考えられるので、気長に治療を続けることが必要です。調子のよいときと悪いときがあることを理解して、調子が悪いときは薬を飲んで、よいときは薬を休むといった治療が必要。ひとりひとり症状が違うことを理解してその子にあったアレルギー性鼻炎との付き合い方をお母さんが理解してあげることが必要です。
  • 合併症に注意
    小児のアレルギー性鼻炎は、副鼻腔炎や滲出性中耳炎を合併することが多いため、ネバネバの鼻水が続く、聞こえが少し悪い、耳を気にするなどの症状に気づいたら早めに耳鼻科受診をしてください。早めの治療が重症の副鼻腔炎や重症の滲出性中耳炎の予防につながります。

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