スギ花粉症の舌下免疫療法とは?

免疫療法とは、病気の原因となるもの(アレルゲンと言います)を少ない量からゆっくり増やして体内にいれて治そうとする方法です。例えば、スギ花粉症の場合には、体に安全な低量の医療用のスギ花粉抽出物を体内に入れ、安全性と反応を見ながらゆっくりと量を増やして、体質を徐々に変えていく治療です。

治療の希望がある人はまず舌下免疫療法の説明動画 (うまく動画が出ない場合は「シダキュアを服用している」を選択して動画ページに移動してください。)をご覧ください。そのうえで下の文書をお読みになって治療対象になると思われる人は医師に舌下免疫療法の希望をお伝えください。

治療対象となる人

次の3つがすべて当てはまる人が治療対象になります。

  • 血液検査でスギ花粉症が確認できている人
  • 内服薬や局所ステロイドスプレーで症状をうまくコントロールできない人や薬を減量したい人
  • 3~5年毎日欠かさず服薬できて、必ず毎月1回(最初のうちは1~2週間に1回)の通院ができる人

状態によって治療対象にならない人

喘息や高血圧がある人は病状や内服薬によっては対象になりません。医師にご相談ください。

対象にならない人

自己免疫疾患、悪性腫瘍、心血管系疾患、妊娠中または近日中に妊娠予定、HIV感染、精神疾患、慢性感染症、免疫不全、免疫抑制剤内服などの人は治療の対象にはなりません。(効果が期待できなかったり副作用の対処ができなかったりします。)

当院における舌下療法治療の流れ

  1. 治療を希望される人は治療説明動画をよく見てください。
  2. スギ花粉症の舌下免疫療法希望と予約時に伝えてください。予約は受付時間内に窓口予約で必ず「舌下免疫療法希望」と伝えてください。
  3. 第一回目の診察は、問診、鼻腔内の状態確認、血液検査(1年以内に検査を受けている場合は不要、当院以外で血液検査を受けている場合は検査結果のデータをお持ちになってください)を行い。治療の説明を行います。
  4. 第二回目の診察は、問診、鼻腔内の状態確認、血液検査の確認を行い治療開始可能と判断した場合は治療を開始します。初めての服用は院内で行い服用後30分は院内で副作用が起こらないかを確認します。予約時間から2~3時間程度の余裕をもって受診してください。
  5. 第三回目の診察は、治療開始後1週間で経過をみさせていただきます。
  6. その後は2週間おきに数回通院をしていただき、問題がなければ1か月に1回の通院になります。

期待できる効果

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の症状の改善
  • アレルギー治療薬の減量

起こりえる副作用

  • 口の中の腫れ、かゆみ、不快感
  • のどの刺激感、不快感
  • 耳のかゆみ
  • アナフィラキシー(全身の強いアレルギー症状):非常にまれですが重大な副作用です。日本で舌下免疫療法を行った患者さんで死亡した症例は報告されていませんが放置すると非常に危険です。緊急の対応が必要になります。パンフレットをお渡ししますので必ずよく読んで対処法を理解して下さい。

有効率

免疫療法は現状では唯一の花粉症を治し得る治療法とされています。しかし、全員には効きません。おおよそですが、治療後の様子をうかがうと、治療を行った方の20%で花粉症が治癒し、30%以上でかなり楽になり花粉症薬の薬が激減した、20~30%で症状はあるが以前より楽と答えられます。残念ながら20%では治療効果がありません。

開始時期

安全に治療を行なうために、スギ花粉の飛散する前後に舌下免疫療法を開始できません。治療開始は6月から11月中旬がよいとされています。

花粉症シーズンの治療

舌下免疫療法を行なっていても、花粉症の症状がでたら適切にお薬を使ってください。舌下免疫療法の考えは、併用薬の量を少なくして、症状を軽減する治療です。全ての方が薬を飲まなくてすむ治療ではありません。花粉飛散が非常に多い時には症状も出やすくなるため、我慢せずに適切な薬の併用を推奨します。。ただし、ステロイド内服は特別な事情がない限り使用しません。ステロイドの点眼や局所ステロイドスプレーは全身に作用しませんので、舌下免疫療法と併用可能です。

治療期間

舌下免疫療法は、始めたら数日で効果の出るような治療ではありません。長期間の治療が必要です。長い期間かけて少しずつ良くする治療であることを理解してください。即効性はありません。2年ほど舌下免疫療法を行い、そこである程度効果のある方には合計3~5年間の治療を勧めています。

ダニの舌下免疫療法との併用

スギ花粉症の舌下免疫療法とダニの舌下免疫療法の両方を同時に開始するのは勧められていません。まずは片方から治療します。片方の治療が安定すれば、他方も追加できる場合もありますので、ご相談ください。