診察の結果、ウイルス性上気道炎(風邪)と考えられます。ウイルス性上気道炎とは普通のいわゆる風邪のウイルス(200種類以上ある)に加え、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの可能性を含みます

経過はご自身の免疫力とウイルスの種類によりさまざまですが、一般的には発症後数日~1週間程度は症状の悪化や変化が起こることが多いです。よく睡眠をとって体を休めることが一番です。症状がつらければ症状を抑える薬を飲んでください。

新型コロナウイルスが流行している時期においては、ウイルス性上気道炎(風邪)の中に新型コロナの可能性もありますので、①10日以内に嗅覚や味覚に異常が出てきた②息苦しい、いつもの咳と違う③体のだるさが強い④飲食店や人ごみによく行く⑤教師、医療従事者など他人に感染させるリスクの高い人などは積極的に新型コロナウイルスのPCR検査をお受けいただきたいと思います。

【経過と症状】ウイルス性上気道炎

免疫力が高く、弱いウイルスであった場合はほとんど症状が出なくてすぐに治ることもありますが、クリニックで診てもらおうと思うような症状が出ている人は早く治る人で5~7日間、長いと3~4週間も症状(特に咳や鼻水)が続くこともあります。

ウイルス感染の経過として、副鼻腔炎(ネバネバした黄色や緑の鼻水、頬や前頭部の痛み)や気管気管支炎(咳嗽や痰)をよく起こします、免疫力の弱い方や高齢者の方は肺炎を起こすこともあります。また乳幼児では中耳炎をおこしやすいので機嫌が悪い時や発熱時および鼻水が長引くときは鼓膜の観察も必要になります。ウイルス性の炎症が増悪している時は、症状を抑える薬をお飲みになっても症状は悪化します。また発症後数日で受診されると、その後5~10日程度は症状が変化し、悪化することもよくあります。

よくあるパターンは次のような経過で治っていきます。

のどのイガイガや鼻水(数日)→発熱やのどの痛み(出ないこともあるが長いと5~7日程度)→ドロッとした鼻水や咳、痰(5~28日程度)→治癒

【診断】ウイルス性上気道炎

診断は問診に加え鼻やのどの奥を肉眼やファイバースコープで見ることによって行います。発症の時期や発症時の症状、経過などとファイバースコープによる上咽頭(鼻の一番奥)や喉頭(喉の奥の方)の所見が重要になります。

【治療】ウイルス性上気道炎

ウイルス性上気道炎にはインフルエンザウイルスを除いては特効薬がないため治療には主に症状を抑える薬を使います。ご自分の免疫でしか治らない病気ですので早めにお薬を飲んでも早く治るわけではありません。よく睡眠をとって体を休めることが一番です。お薬は症状を抑えてつらさを緩和する目的でお出ししています。

ウイルスには抗生剤が効かないため、発症後3~7日くらいの間は抗生剤に使用は不要ですが、5~7日を過ぎたころから人によっては弱った粘膜に細菌感染を起こし細菌性副鼻腔炎細菌性気管気管支炎になると抗生剤の併用が必要になることがあります。抗生剤を使う目安は黄色~緑のドロッとした鼻水や痰が増えてきた頃です。

【感染拡大防止】ウイルス性上気道炎

次の5点に留意いただけると感染拡大防止になります。

  • 外でも家でも(単身者は除く)マスクを着用
  • いつもより手指消毒を念入りに
  • 体調が悪い間(特に発症後10日)はできれば学校や会社を休む
  • 他人と近距離(~2m)での食事を避ける
  • 食事中に会話をしない

【禁止事項】ウイルス性上気道炎

下記は免疫力を低下させるので治るまでは避けてください。

  • 睡眠不足
  • 過度な運動(筋トレやランニングなど)
  • 飲酒
  • サウナや熱い風呂に長く入る

【すぐに医師に連絡をしたほうが良い状態】ウイルス性上気道炎

 下記の場合は早めに電話連絡をしてください。

  • 息苦しさが急に起こってきた場合、だんだん息苦しさが強くなる場合。
  • 38.5度以上の発熱が5日以上続く場合。
  • (半日~1日以上)水分が取れなくなっている場合。食事は2~3日余り取れなくても大丈夫なことが多いですが水分が取れないのは脱水を起こし危険な場合があります。
  • 意識がおかしい場合や、けいれんを起こした場合。(明らかに異常な場合は救急車を呼んで救急病院への受診が必要です。)