ネットや薬局で医療機関で使用されている薬の一部が購入できます。新型コロナで医療機関を受診したくない方、医療機関へ行く時間のない方はこのページを参照してください。スイッチOTCは自己責任となりますので副作用や質問は薬局やメーカにお問い合わせください。ここでのお話は医師に血液検査などで花粉症と診断されていて、毎年医療機関を受診して薬をもらえばほとんど症状の出ない方を対象にしています。費用も症状が軽く短期間しか症状が出ない人は医療機関(クリニック)を受診するより安くなりますので症状の軽い方にはお勧めです。費用について詳しくまとまっているサイトがありますのでそちらを参考にしてください。(スイッチOTCの費用については当院では関知しませんので自己責任でお願いします>)

なお当院ではスイッチOTCに関する電話相談などは受け付けておりません。相談などがあればご予約の上、受診をしてください診察の上、療養指導させていただきます(保険適応の医療費はかかります)。

  • スイッチOTCとは
  • どういう人に向いているか
  • 医療機関へ行った方がいい場合
  • 代表的な薬の説明
  • 使い方のコツ
  • 副作用や相談はどうしたらよいのか
  • お勧めのお薬
  • 費用と買い方

スイッチOTC(市販薬)とは

スイッチOTCとは簡単に言えば、「現在でも病院で処方されることがあるけど安全性が高いことがわかったので市販してもよい事になった薬」。

少し詳しく説明すると

最近花粉症のスイッチOTC薬が充実してきました。数年前まで医療機関でしか出してもらえなかったお薬がネットや薬局で買えるようになってきました。

症状が軽く、長引かない方は時間的にも経済的にもスイッチOTC薬の活用をお勧めいたします。

スイッチOTC薬とは医療用医薬品、つまり医療機関でしか処方してもらえなかった薬が長期間の使用実績、副作用が比較的少ないこと、そして他の薬剤との相互作用でも重篤な副作用がないなどの基準を満たしたため、医師の診察がなくても薬局で買えるようになったお薬です。

特に2010年にエピナスチン塩酸塩、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、2012年にフェキソフェナジン塩酸塩、セチリジン塩酸塩、2013年にエバスチン、2017年にロラタジン、そして2019年に鼻スプレーのフルチカゾンプロピオン酸エステルなどが医療用医薬品からOTCにスイッチされています。耳鼻咽喉科専門医の私も現役で使っているお薬が続々スイッチされています。

従来市販薬の鼻炎薬より副作用が少なく効果が高い薬が目白押しです。

どういう人に向いているか

  • 医療機関へ行く時間がない人
  • 一度は耳鼻科で診てもらって血液検査などで診断がついている人。
  • 毎年もらうお薬がスイッチOTCになっていて、その薬で症状が治まる人。
  • ネバネバした鼻水や色のついた鼻水のでない人。
  • 1~1.5か月程度薬のお薬で治る人

医療機関へ行った方がよい場合

  • 一度も耳鼻科で診てもらってない人
  • 1週間程度使っていてもよくならない場合
  • ネバネバした鼻水や色のついた鼻水がでる場合
  • 鼻づまりが治らない場合
  • 1.5か月以上薬が必要な場合

代表的な薬の説明

ここでは花粉症で使う代表的なスイッチOTCの説明をします。

下の表に特徴をまとめました。自分が処方した経験で評価しました。

  • 一般的に内服薬では効果の高い薬ほど副作用が出やすい。
  • ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとフルチカゾンプロピオン酸エステルは非常によく効いて副作用の少ないスプレーですが、鼻づまりが強いときに1回だけスプレーをしても全く効果がありません。3~5日定期的にスプレーを使うと効果が実感できます。
  • 第2類医薬品はネット購入ができますが、要指導医薬品(フルチカゾンプロピオン酸エステル)は薬局で薬剤師さんに相談しなければ購入できません。
医療用医薬品としての商品名鼻水への効果鼻づまりへの効果眠気・口の渇き車の運転分類
フェキソフェナジン塩酸塩アレグラ(内服薬)++-+-第2類医薬品
セチリジン塩酸塩ジルテック(内服薬)+++++~++×第2類医薬品
エバスチンエバステル(内服薬)++++~++第2類医薬品
ロラタジンクラリチン(内服薬)++++第2類医薬品
ベクロメタゾンプロピオン酸エステルリノコート(スプレー)++++++第2類医薬品
フルチカゾンプロピオン酸エステルフルナーゼ(スプレー)++++++要指導医薬品

使い方のコツ

内服もスプレーも症状が出始めてつらくないうちから連用する

花粉症は一旦悪化すると鼻水鼻づまりの悪循環を起こすため、悪化させないことが重要です。

スプレー(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル)は連用を

この2つのスプレーは内服薬より強く鼻づまり鼻水を抑えますが、鼻づまりが強いときに1回使っても全く効果を感じません。3~5日間定期的に連用してください。そうすれば効果が実感できます。

お勧めの薬

症状が軽い人

フェキソフェナジン塩酸塩のOTCが値段も安く眠気もほとんどないのでお勧めです。ただし効果は弱いです。

症状が強い人

セチリジン塩酸塩の内服とベクロメタゾンプロピオン酸エステルまたはフルチカゾンプロピオン酸エステルスプレーの併用が効果的です。ある程度症状が強い人でも改善することが多いです。これを使っても治らない場合は耳鼻科受診をお勧めします。

車を運転する人・受験生

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルまたはフルチカゾンプロピオン酸エステルスプレーを第一にお勧めします。まったく眠気が出ないお薬です。症状が取れない人はフェキソフェナジン塩酸塩やロラタジンの内服を併用します。

費用と買い方

  • OTCのため保険が使えず自費になります。セルフメディケーション減税の対象になることが多いです。
  • 費用は1か月分であれば医療機関と調剤薬局で払う費用(保険を使って自費で負担する分)より安いことが多いです。
  • 買い方は要指導医薬品は薬剤師のいる薬局でしか買えません。第2類医薬品は普通の薬局またはネットで購入できます

費用と買い方がまとまっている外部サイトです。参照してみてください。